音楽

バレンボイムのブルックナー全集

とにかくいつまでも聴いていたいような圧倒的な美音。緩徐部分のあまりにもゆったりしたテンポは、ベルリンフィルの技術なくしては成り立たないと思えるほど。9番の美しさは特筆に値する。7番終楽章のワグナーの香りもすばらしい。8番はスケルツォがさすがに…

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番/交響曲第3番

インキネン、日フィル、ヴォロディン。PC4番はもともと異色の曲であるうえ、ヴォロディンのなめらかで細やかな演奏によって、なんだかベートーヴェンとは思えないような味わい。アンコールのシューマン/リスト「献呈」は、過去に聴いたなかで最高でした。翌…

Skrowaczewski the complete oehmsclassics recordings

全体的に、深い読みに支えられた潑剌たる演奏。なかでもブラームスの2番、3番がくっきりとした造形で見事。ベートーヴェンの5番にも感心した。エロイカ第1楽章の超特急にはびっくり。また、とりわけ印象に残ったのが、ブルックナー9番のアダージョ。ものすご…

Sir Adrian Boult from Bach to Wagner

なんといってもジュピターがすばらしい。第4楽章の無調っぽくなるところを偏愛しているので、あれをくり返してくれないと困るのだ(その点では、愛聴するクリップス+RCOの後期交響曲全集も不満)。ボールトはすべてのリピートに忠実。 全体的に堂々たる演奏…

Shostakovich - Jazz Suites

あの重厚長大な交響曲群を作曲した人とは思えないほど軽妙で、愉しい組曲。振り幅激しいですね。ジャズというよりはダンス音楽だけど。映画音楽にもそのまま使えそう。 www.youtube.com

ハイティンク/ショスタコーヴィチ

ショスタコーヴィチの交響曲を初めて全曲聴いた。現代のオーケストラでできることはマーラーがやり尽くしたかに見えたけれど、まだあったということですね。とくに打楽器。重い緩徐楽章もすばらしい。5番や10番がいいのはもちろんだが、意外に6番が美しかっ…

ショルティ/マーラー

いや本当にシカゴ響の管はすばらしいなあ。とくに感心したのは第5番。私にとっては決定盤。久しぶりにCDを聴いて興奮した。7番もいい。思えばどちらも管が大活躍する曲でした。8番はポップがすばらしい。 対照的に、9番はじっくり型の演奏。第1楽章の最大の…

ショルティ/ブルックナー

改めてシカゴ響の管楽器の抜群の安定感と美しさに驚く。全体的に快調快速な演奏が多いが、特筆すべきは交響曲第5番の第2楽章で、これまで聴いたどの盤よりゆったりしていて(ヴァント盤より5分以上長い)、おかげで総演奏時間が8番より長くなっている(驚)…

ショルティ/ワグナー

結局自分はショルティが好きなのだという結論に至りつつある。カラヤンが「歌」の人だとすれば、ショルティは「推進力」の人。歌のほうがいい? でも思い返せば、ブルックナーの7番も9番も、いちばん聴いたのはショルティだった。9番の第1楽章はなかなかテン…

ニーベルングの指環

バレンシア州立歌劇場、ズビン・メータ。しょっぱなのラインの娘三人から演出がすごすぎて、ちょっと音楽どころではありません。が、さすがメータ、くどすぎず、淡泊すぎず、うまくまとめている。奇抜な演出の効果がよく出ていたのは『ラインの黄金』の最後…

マーラー交響曲第9番

バーンスタイン、ベルリン・フィル。大昔、バーンスタイン+アムステルダム・コンセルトヘボウでこの曲にノックアウトされた身としては、聴いておくしかない。が……気持ちばかりがはやって、ベルリン・フィルでさえ音が追いついていない印象。改めてコンセル…

ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集

ゲヴァントハウス・カルテット。「25年目の弦楽四重奏」を見て急に聞きたくなり購入。これはすばらしくお買い得な全集だった。HMVさんありがとう。音質がずば抜けているし、演奏も見事。本当に隣で弾いているかのよう。 初期の曲は初めて聴いたが、どれも味…

シューベルト交響曲第9番《グレイト》

ケンペ、ミュンヘン・フィル。たいへん生き生きした演奏。想像をはるかに超えた。まろやかな生の音が伝わってくる感じでした。同録のメタモルフォーゼンに関しては、やはりカラヤンのほうが美しいかな。オケのカラーもあるでしょう。

R・シュトラウス「ばらの騎士」

クライバー盤のほうが全体に温度が高い(熱い)けれど、カラヤン盤はしなやかで美しく、シュヴァルツコップの元帥夫人はやはりすばらしい。第1幕のモノローグはもちろん、最後の三重唱にも聞き惚れた。でも私的にはゾフィーはどうしてもルチア・ポップです。

ブルックナー交響曲第4番、第9番

カラヤン、ベルリンフィル。カラヤンの流れでブルックナーも聞いてみた。よい。第4番の第1楽章で高音のバイオリンが上から降ってくる感じとか、新鮮。第9番は大好きな曲だが、始まってほんの1分ほどでブルックナーの巡航高度までぐーっと持っていかなけ…

Karajan: Haydn - Mozart - Schubert

モーツァルトは総じてテンポが速めで、しかし緩徐楽章(とくにメヌエット)は遅め。意外によかったのが第40番。第1楽章などオケがよく鳴っている。当たりまえか。第41番はモーツァルトの交響曲のなかでいちばん好きなのだが(まあその日の気分にもよるけれ…

山田和樹&日本フィルのR・シュトラウス&シェーンベルク

思いがけず時間ができたのでサントリーホールへ。「バラの騎士」の「ワルツ第1番」は、途中管が鳴りきっていない気がしたし、テンポももっと柔軟なのが好みだが、次のシェーンベルクの「浄められた夜」は見事な美しさだった。実演で聴いたのは初めて。後半の…

Karajan: Sibelius

とても70年代の録音とは思えない音のよさ。どれもすばらしい演奏だが、とくに交響曲第5番の迫力に驚き感動する。

Claudio Abbado The Symphony Edition

思えばアバドもちゃんと聞いたことがなかった。ゼルキンとのモーツァルトのピアノ協奏曲は愛聴していたけれど。 アバドはあくまで誠実に、丁寧に音楽を作っていく。多くのオケがたんに音を伸ばすところで、繊細な強弱をつける。そういう意味で、モーツァルト…

Karajan: Berlioz - Franck - Debussy - Ravel - Tchaikovsky - Dvorak - Bartok

またしてもカラヤンが万能選手であることを証明するセット。個人的に最大の収穫はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。こんなにいい曲だったのですね。チャイコフスキーの4番から6番もベルリンフィルの底力を見せつける演奏。それにしてもこのワーナーの…

Karajan: Brahms-Bruckner-Wagner-R. Strauss-Schmidt

CD1ブルックナー4番は清新だがやや走りすぎ、CD2ヨハン・シュトラウスはさすがの安定感と高雅さ、シュミットは曲自体初めて聞いたがなかなか、CD3ブルックナー7番はかなりよしと来て、圧巻はCD4、ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」や「悲劇的序曲…

ウィーン室内合奏団

東京オペラシティにて。 シューベルト 弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」 ブラームス クラリネット五重奏曲ロ短調 シューベルト 八重奏曲ヘ長調 いずれも名曲、充実した演奏で大満足。ただ、アンコールのポルカ・フランセーズとトリッチ・トラッチ・ポルカが…

リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団

東京オペラシティにて。 メンデルスゾーン 序曲「ルイ・ブラス」 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 「皇帝」(ピアノ: ネルソン・フレイレ) ショスタコーヴィチ 交響曲第5番ニ短調 ものすごく反応のいいオケによるすばらしい演奏(マーラー7番に…

ティーレマン+ドレスデン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

ティーレマンに、ドレスデンに、ワグナー、ブルックナーとくれば、自分的にははずれようがないのだけれど、いくつか不満は残った。 トリスタンの前奏曲の出だしでは「これだ」と思ったが、「愛の死」に入るとアンサンブルが少々ばらけた感じ。ブル7も、第2…

パーヴォ・ヤルヴィ、フランクフルト放送交響楽団

久々にサントリーホールに出かけたところ、リストのピアノ協奏曲を弾いたアリス=紗良・オットさんがなんと裸足。初めて見た。日本人はふだん家のなかで靴をはかないからペダリングに難あり、なんて話を聞いたことがあるけれど、なるほど、こんな手もありま…

クイケンのマタイ受難曲

畏敬の念を抱くリヒター盤とまたちがって、水が砂地にしみこむように体にすーっと入ってくるマタイ。新年早々、ええもん聴かしてもらいました。

マーラー交響曲第1番@府中の森芸術劇場

昨年の備忘録。地元の文化施設も応援しなければと、9月に出かけたのでした。金聖響、山根一仁(vl)、日本フィルハーモニー交響楽団による、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲とマーラー交響曲第1番「巨人」。 若いマーラーの天才が遺憾なく発揮された第1…