2022-01-01から1年間の記事一覧

ホロー荘の殺人

アガサ・クリスティー、早川書房。最後に近づき、どうやって解決するのだろうと思っていたら、一気呵成に。殺人は一件だし、ポアロの場面も少ないが、全体的には悪くない。

シスターズ

キム・ゴウン、ナム・ジヒョン、オム・ジウォン。出だしはとても好調だったけれど、途中からはちょっとファンタジーになってしまったかという印象。何もかも結びつけなくてもいいと思うんですけどね。

三体

劉慈欣、早川書房。やっと読了。第二部が最高かと思いきや、第三部のほうがすごかった。よくここまで想像できるものだ。

われら闇より天を見る

クリス・ウィタカー、早川書房。読みはじめて数ページでこれは名作とわかる(訳者の力)。しかし、ダッチェスというキャラクターが好きかどうかで評価は分かれそう。たしかに厨二病です(年齢も近いからしょうがない?)。

56日間

キャサリン・ライアン・ハワード、新潮社。コロナ禍で出会った男女。愛し合うもお互い隠していることがあり……。うまい。ただ、コロナ禍という特異なバックグラウンドがあればこそという感じもする。もう1作このレベルの作品を書いたら本物。

刑務所のルールブック

『賢い医師生活』と同じ脚本家、監督による、そのまえの作品。監獄にしてはいい人ばかりという気もするけれど、やはりうまい。役者陣もみな達者です。

業火の市

ドン・ウィンズロウ、ハーパーコリンズ。東海岸のギャングの抗争(アイルランド系vs.イタリア系)。ダニーのラストの変貌ぶりが、『ゴッドファーザー』のマイケルを髣髴させて、さすがウィンズロウさん、わかってらっしゃると思いました。

悪意

J・L・ホルスト、小学館。囚人が犯罪の現地検分中に逃げ出すという設定に新味あり。でもやはり『カタリーナ・コード』の静かな雰囲気が好み。

捜索者

タナ・フレンチ、早川書房。アイルランドの田舎に引っ越した元警官の主人公が、地元の子に頼まれて、その子の兄を捜索する話。最後に関係者とのあいだでもうひと山あるのかと思いきや……。しかし、こういう静かな終わり方も、この地域にふさわしい気がする。

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者

コリン・トレヴォロウ監督、クリス・プラット。出だしは前作とつながっているようで(未視聴)、どういう状況かちょっと戸惑う。恐竜たちは興味深いが、主人公たちがみんな生き残るんだろうなと思うと(いつもバクッとやられるが、ぎりぎりで食われない?)…

詩人の恋

キム・ヤンヒ監督、ヤン・イクチュン、チョン・ガラム。中年の詩人と不幸な家庭の若者のすれちがい。味わいはあるけれど(たとえば主人公とお母さんが岸壁に坐って話す場面)、ちょっと地味すぎるかもしれませんね。

私たちのブルース

イ・ビョンホン、イ・ジョンウン、シン・ミナ、チェ・ヨンジュン。テーマはどれも重いが、音楽や演出のせいもあって、どこかほのぼのとした雰囲気。とくに最後のおばあちゃんの2篇は泣かせる。役者がみな達者です。

異常(アノマリー)

エルヴェ・ル・テリエ、早川書房。文学的な思考実験。ワンアイデアものだが、最後まで飽きさせない。

フォンターネ 山小屋の生活

パオロ・コニェッティ、新潮社。『帰れない山』よりまえに書かれた作品だが、やはり似ている。男友だちとの静かな交流を描くのが本当にうまい人。

気狂いピエロ

ライオネル・ホワイト、新潮文庫。最後が美しいと言っていいほどの虚無。すばらしい。

印(サイン)

アーナルデュル・インドリダソン、早川書房。今回は死後の世界や幽霊が出てくるので、いつにも増して静かで寒い印象。事件は解決するようで解決しないのですが。

ま・く・ら

柳家小三治、講談社文庫。おもしろい。とくに駐車場物語、郡山先生、玉子かけ御飯。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

アンディ・ウィアー、早川書房。大傑作。逆境でも明るくがんばるキャラを書かせたら、いま世界でウィアーの右に出る者はいません。

工作

ユン・ジョンビン監督、ファン・ジョンミン、イ・ソンミン。名優ふたりの熱演に尽きる。国際市場で会いましょうの人でしたか。ミセンとキングダムもね。

白昼の悪魔

アガサ・クリスティー、早川書房。人物像が反転するおもしろみ。『ナイルに死す』の凝縮版とは霜月さんの評。たしかに。ナイルの豪華な感じも好きですけどね。

太陽を抱く月

キム・スヒョン、チョン・イル、イム・シワン、ハン・ガイン、キム・ユジョン。韓国でも大人気で、ヘプムダルと略されているとか。3月31日配信停止ということであわてて視聴。とくに子役たちの演技が見事だった。よくできているけれど、全体をつうじて、一女…

ブラックサマーの殺人

M・W・クレイヴン、早川書房。おもしろくはあるのだが、ほぼ最初から犯人はわかっていて、ハウダニットだけで引っ張る。つまり犯罪のスコープが狭すぎるような。血液を一致させるトリックも少々無理筋という気もするし。ストーンサークルのほうが上ですかね?

コルトン・アンダーウッドのカミングアウト

カミングアウトにもAAのスポンサー(助言者)のような役割の人がいて(コルトンにとってはガス)、いろいろ教え導くというのが興味深い。しかしコルトンは素直でまじめな人なのだなあ。かつクリスチャンということもあって、これほど苦しんだのかと。

ナビレラ

過去最高に泣いたドラマかもしれない。70歳のお爺さんがバレエを習うという、なんてことはない話なのだが、毎回泣ける。自分が韓国人についていちばん好きなことが詰まっているからだと思う。

静かなる海

チェ・ハンヨン監督、コン・ユ、ペ・ドゥナ、イ・ジュン。ほとんどセット内の撮影であるせいか(?)酷評もあるらしいが、充分おもしろかった。ペ・ドゥナは『キングダム』の女医役が印象的だったが、ここでも活躍。是枝監督の映画にも出てるんですね。