2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ある男

平野啓一郎、文藝春秋。たいへんに頭のいい作家で、物語をめぐるすべてが過不足なく、説得力をもって描写されている。ウォッカを飲んで酔うときの「角度」など、比喩も巧みだし、ナルキッソスをめぐる『変身物語』も全体の筋ときちんと呼応していて、最初は…

生まれ変わり

ケン・リュウ、早川書房。うーむ、やはりアンソロジーも3つめとなると、少々質の低下が心配な気も。SFものに弱いせいかもしれませんが。とはいえ、「隠娘」は愉しいし、「生まれ変わり」、「ランニング・シューズ」、「ホモ・フローレシエンシス」などは印象…