2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ルムンバの叫び

コンゴ動乱。本当に救いがない。われわれはその後のモブツを知っているから、ルムンバに肩入れしたくなるけれど(もちろんこの映画もルムンバ寄り)、かりにルムンバの施政が続いていたとしても、コンゴに平和が訪れたとは思えない。大国が自国の外で好き放…

Jerusalem

テルアヴィヴから車でたしか小一時間、丘に登ったところ。親切なタクシーの運ちゃんが案内してくれ、やたら声をかけてくる果敢な物売りにも対抗できた。三大宗教の聖地だが、無宗教の自分には正直ピンとこないこともけっこうあった。ただ、嘆きの壁にしろ、…

ラ・ボエーム

最近はフィギュアスケートの影響で「ネスンドルマ」ばかりですが、プッチーニといえばやはり「ラ・ボエーム」でしょう。とりわけ第1幕。映画「月の輝く夜に」で効果的に使われていて、思えばそれがオペラを聴きはじめたきっかけでした。メロディメーカーの…

Tel Aviv, Israel

もうすっかり様変わりしているだろうが、しゃれた寿司バーのある通りや、夜ニューエイジふうの若者が焚き火に集う長い砂浜、真っ青な海の岸壁に建つレストランなど、予想をはるかに超えて粋な街だった。いまや通りはつねにテロの危険にさらされているのだろ…

狼のゲーム

ブレント・ゲルフィ、ランダムハウス講談社。これは傑作。人物造型が光る。マフィアの巨魁マクシムも印象的だが、なんといっても白髪の守護天使ヴァーリャ。たとえば、第3章。「角を曲がると、そこにヴァーリャが、しなやかなわたしの天使がいる。・・彼女…

シフのベートーヴェン

ピアノソナタ全8集のうち、たまたま手に入った3、6、7、8集を聴く。シフというと個人的にはバッハでお世話になったけれど、このベートーヴェンもすばらしい。ひと言で評するなら、clarity。またはintimacy。「熱情」第3楽章のゆったりめのテンポと苛烈…

愚者が出てくる、城寨が見える

マンシェット、光文社。大胆な場面の省略(飛行機に乗ったと思ったらもう車)、すばやい視点の切り替え(モールの塔に迫るアルトグら)、ひねくれたユーモア(兄貴じゃない、姉さんじゃない、とか、最終章とか)。しかし、それより何より圧倒的で過剰な暴力…

香港

料理はすばらしく美味で、夜景ももちろん美しく、カラオケも愉しく、やたら豪華なサウナにも驚いたけれど、忘れられないのは、フェリーで1時間(30分?)ほどかけて別の島に渡り、知人の知人であるオーストラリア人を訪ねたときのこと。屋上から見た海の…