シビル・ウォー アメリカ最後の日

アレックス・ガーランド監督、キスステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、ケイリー・スピーニー。だんだん内戦へと発展していく政治サスペンスかと思いきや、最初から内戦は始まっていて、ジャーナリストたちがそれを取材しながらニューヨークからDCに向かう…

地獄が呼んでいる シーズン2

短めのシーズン2。悪くはないけれども、シーズン1を前提にしつつ、いかにもシーズン3がある終わり方ですね。

黒と白のスプーン

料理対決番組。料理の数々も見応えがあるが、構成そのものにも趣向が凝らされていておもしろい。審査員のふたりがいちばんたいへんだったのでは?

BLUE GIANT

鉄板の才能開花もの。サントラも立派。展開はわかっているけど泣ける。

ドライブ・マイ・カー

濱口竜介監督、西島秀俊、三浦透子、霧島れいか。俳優も演技も撮影も達者だが、明るい気分にはならない。広島から渡る島の風景は印象に残る。村上春樹のいくつかの短篇小説からアイデアを得ているらしい。

ラストマイル

塚原あゆ子監督、野木亜紀子脚本、満島ひかり、岡田将生、ディーン・フジオカ。傑作。ミステリーとしても万全。大筋の犯人探しのほかに、エレナって何者? という小さな謎を入れているところなどうまい。

絶海

デイヴィッド・グラン、早川書房。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の著者ならまちがいはない。大英帝国初期の壮絶な航海記録。原因がわからない伝染病でバタバタと人が死んでいく。もちろん遭難後も苦難に次ぐ苦難。英国海軍がこの事件を闇に葬ろう…

どこよりも冷たいところ

S・J・ローザン、創元推理文庫。これもうまい。マイク・ディメイオがいい人でよかった。スクリャービンの練習曲を弾くということは、ビルのピアノの腕前はかなりのものということか。シリーズのほかの未読作品も読むしかありません。

春を待つ谷間で

S・J・ローザン、創元推理文庫。舞台が自然豊かなアップステートの冬であるせいか、静謐な雰囲気が漂う。謎の仕込みも丁寧で、人物描写がうまい。とくに州警察のマクレガーの描写はむずかしいはずだが、納得感がある。 ビル・スミスの人柄やリディアとの関係…

神田伯山独演会@三郷市民会館

熱湯風呂 梅之丞 小田原遺恨相撲(雷電) 伯山 出世浄瑠璃 伯山 浅妻船(英一蝶/多賀朝湖) 伯山 お札はがし(牡丹灯籠) 伯山

両京十五日

もうこの2冊を読んだだけで今年は終わっていいと思う。スケールが馬鹿でかい最高の冒険小説。漢文のかっこよさも再認識しました。

ソウルの春

キム・ソンス監督、ファン・ジョンミン、チョン・ウソン。傑作。これだけ後味の悪い筋をこれほどのエンターテインメントに仕上げる手腕に感心する。それにしても、フィクションが混じっているとはいえ、この集団(ハナ会)に10年以上支配された韓国の不幸を…

MEG ザ・モンスター/MEG ザ・モンスターズ2

使い古されたネタだが、それなりにおもしろい。しかし、1のほうが明らかに上。2になると、人間(ステイサム側)と人間(レアアース盗掘団)との戦いが出てきて、怪獣を見たい私のような者にとっては余計なエピソードに。タコの使い方も中途半端w

谷崎潤一郎訳 源氏物語

「若菜」と「浮舟」は格別だと思う。王朝の華やかな文化もよろしいが(そして谷崎訳はそういうところでもっとも美しいが)、柏木や匂宮のような人物が登場することで「小説」としての深みがぐっと増す。また、「御法」と「幻」で初めて光源氏に好感を持った…

マーニー/引き裂かれたカーテン/トパーズ/ファミリー・プロット

マーニーは、いわゆる嫌ミスの類いではなかろうか。出だしのティッピ・ヘドレンの後ろ姿はかっこよく、撮影の工夫もあって期待させるが、ショーン・コネリーがなぜあそこまでして守りたがるのかがよくわからない。愛? ですかね。賠償したからといって、彼女…

ハリーの災難/知りすぎていた男/めまい

ハリーの災難、ヒッチコックさんもコメディはいまひとつでは。あと、アメリカでのロケのようなのになぜ右ハンドル? 知りすぎていた男、これは名作。いつもの巻きこまれ型だけど、ある国の政権抗争という筋立てがシンプルなので、ほかの作品によくある余計な…

智異山

山は美しいが、殺人事件のほうは、この長さまで引っ張る内容かどうか。最後に地元の警官がどうなったのかもわからずじまい? そしてなぜか主人公があの状態から奇跡の復活。

ブレイク

真山仁、角川書店。最新の技術や事実を取り入れながら(総理の造型などにも)エンタメに仕上げる手腕は相変わらず見事。超臨界地熱発電、憶えました。

悪い男

アーナルデュル・インドリダソン、東京創元社。相変わらず安心して読める。エーレンデュルはお休み(捜査中なのか、行方不明)。今回もアイスランドが狭い国であることが遠因か?

神田伯山 PLUS イイノホール

「越の海勇蔵」若之丞 「天保水滸伝 ボロ忠売り出し」伯山 まんじゅう大帝国 〜仲入り〜 「佐賀の夜桜 鍋島の猫騒動」伯山

メグレと若い女の死

ジョルジュ・シムノン、早川書房。やはりシムノンはうまい。捜査とともに、死んだ女の姿がくっきりと浮かび上がる。無愛想な刑事ロニョンの使い方もうまく、メグレが彼を煙たがりながらも一目置いている様子がよく伝わってくる。それを言えば、メグレのやさ…

逃走迷路/疑惑の影/泥棒成金

逃走迷路はなかなか映像が凝っていて、意外な拾い物。最後の自由の女神の場面もスリルたっぷりで秀逸。ただ、アクション主体で、スパイや陰謀の扱いがちょっと雑な気も。 疑惑の影はヒッチコック自身がいちばん気に入っていたとか。南部ロケの雰囲気は悪くな…

神田伯山独演会@町田市民ホール

阿武松 出世浄瑠璃 お岩誕生 万両婿 3時間の熱演。師匠もノリノリで、とくに「万両婿」はアドリブ全開、中入り後に40〜50分ほどだったのではないかな。

鳥/北北西に進路を取れ/サイコ

鳥は最後のシーンが印象的。主人公の女性の素性がよくわからないが(どうやって生活している人?)。Rod Taylorはいいね。 北北西は「超」巻きこまれ型。ケイリー・グラントは世界一スーツが似合いますね。しかし、CIAの工作にしろ、そもそも最初になぜ広告…

神田伯山 PLUS イイノホール

「和田平助」若之丞 「鹿島の棒祭り」伯山 「平手の最期」伯山 ボンボンブラザース 〜仲入り〜 「お岩誕生」伯山

レッスン in ケミストリー

ブリー・ラーソン、ルイス・プルマン、アヤ・ナオミ・キング。最初の女性差別があまりにつらく、観るのをやめようとさえ思ったけれど、ある事件が起きてから、観ないわけにはいかなくなった。政治活動をする黒人のお隣さんが泣ける。原作小説だと犬も泣けそ…

屍衣にポケットはない

ホレス・マッコイ、新潮社。いいっすね。あまりにも一本気な主人公。最初から、いわゆるフラグが立っている。しかしこれをミステリーと言うのはむずかしいか。

フレンジー/裏窓/ロープ

ヒッチコック映画のDVDを連続して観ている。フレンジーは本当に名作。主人公の追いこまれ方(最後の瞬間まで)や、犯人がトラック内でジャガイモと格闘するところとか(そのまえの雑談に伏線あり)。 裏窓は名作の誉れ高いが、いま観ると、あまりおもしろく…

ブラック・バード

タロン・エジャートン、レイ・リオッタ、グレッグ・キニア。デニス・ルヘインの脚本ということで観たが、すばらしい。とくにラリー・ホールの造形が。あまり見かけない連続殺人犯のパターンだが、実話にもとづいているというから、現実の犯人もある程度はそ…

殺人者のパラドックス

イ・チャンヒ監督、ソン・ソック、チェ・ウシク。カオス編集がおもしろいと言えばおもしろいのだが、プロットが強引だし、ソン・ソックも生かしきれていないように思った。漫画が原作なんですね。