2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたの自伝、お書きします

ミュリエル・スパーク、河出書房新社。私にはまだよさがわからない模様。

映画 立川談志

イリュージョン「やかん」はわけがわからなかったが、「芝浜」は見事。ご本人は嫌いだという人情噺、しかし「こういうのやらせるとうまいんだ」とおっしゃるとおり、落語の神様がおりてきている。立川流は、(自分の業界とも相通じる)師匠と弟子の関係につ…

伝記について

丸谷才一さんのエッセイのbotより。 フランス人はイギリス人を「長篇小説の国」と呼ぶ。長篇小説発祥の地であることに敬意を表してである。しかしイギリスには、長篇小説と同じくらゐに、書かれ、読まれ、重んじられ、発達してゐる文学形式があつて、それは…

拾った女

チャールズ・ウィルフォード、扶桑社文庫。最後の「驚き」は必要だったのか。パルプ・ノワールとしての全体の質を考えると、必要ではなかった気がする。むしろ味を損なっているのでは。こう考えるのは少数派なんでしょうが。

ナイト・マネジャー

ジョン・ル・カレ原作のドラマ化。展開のテンポは早いし、画面の美しさは特筆もの、役者の演技も立派だけれど、主人公がなぜここまで復讐に燃えるのかという動機の部分が弱いのではなかろうか。つまり、最初の恋愛のところ。ちなみに、第5話にル・カレ御大が…

オリバー・ツイスト

あらゆる画像バージョンのなかで原作にいちばん忠実なのは、BBCの旧版。新版は、映像は美しいしフェイギンやナンシーの新しい造型(PC配慮?)はおもしろいが、だいぶはしょっている。 しかし、『ザ・ドロップ』といい、トム・ハーディは犬と縁があるんで…

背信の都

ジェイムズ・エルロイ、文藝春秋。長い。人が多い。けれども、この味わいは何物にも代えがたい。

朝が来る

辻村深月、文藝春秋。うまい。最初の養子を得た夫婦の部分があまりにもうまいので、生みの母親の部分に入ったときには物足りないと感じたが、それも後半は盛り返して、スリルで読ませる。ただ、ラストはちょっと安易では?