2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

これ誘拐だよね?

カール・ハイアセン、文春文庫。スキンクも歳をとった。ケモにもまた会えるとは。ただ、久しぶりのハイアセンで期待が大きすぎたのかもしれないけれど、ギャグがちょっと多すぎる気がしないでもない(自分が歳をとったせいか)。訳語もいまのことばに合わせ…

Karajan: Berlioz - Franck - Debussy - Ravel - Tchaikovsky - Dvorak - Bartok

またしてもカラヤンが万能選手であることを証明するセット。個人的に最大の収穫はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。こんなにいい曲だったのですね。チャイコフスキーの4番から6番もベルリンフィルの底力を見せつける演奏。それにしてもこのワーナーの…

ホーム

トニ・モリスン、早川書房。まるでデニス・ルヘインの短篇を読んでいるかのよう。彼女の影響をけっこう受けているのだと思う。

Karajan: Brahms-Bruckner-Wagner-R. Strauss-Schmidt

CD1ブルックナー4番は清新だがやや走りすぎ、CD2ヨハン・シュトラウスはさすがの安定感と高雅さ、シュミットは曲自体初めて聞いたがなかなか、CD3ブルックナー7番はかなりよしと来て、圧巻はCD4、ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」や「悲劇的序曲…

凍氷

ジェイムズ・トンプソン、集英社文庫。翻訳ミステリー大賞のサイトでヘレンハルメさんの記事を読んでから、北欧のなかでもずいぶん毛色のちがうフィンランドに興味がある。田舎者、酒飲み、マッチョ文化、でもドイツとソ連のはざまで、日本人には想像もつか…

鋭い洞察

本日の朝日新聞朝刊、イラストレーターの山藤章二さんの寄稿「奥深きこころの世界」(漱石の『こころ』について論じたもの)になるほどと膝を打ったので、いけないのかもしれないけれど、ここに一部コピーしておく。 「エンターテインメントの要諦(つぼ)は…

興奮

ディック・フランシス、ハヤカワ文庫。何十年ぶりかで再読。 第1章が主人公ロークの生活、性格、鬱積を過不足なく説明していて完璧だとか、オクトーバーの裏にいるベケット大佐がじつはかっこいいとか、その他小ネタはいろいろあったけれど、菊池訳について…

不思議

今日発売の週刊文春と週刊新潮の最大の見出しが集団的自衛権の閣議決定でないことに本当に驚いた。どういう見解をとるかは別にして、今週最大の話題ですらないの? どちらも隣国叩き(慰安婦問題)のほうが重要という判断なのだろうか。まあ、実物を読んでい…

真夜中の相棒

テリー・ホワイト、文春文庫。あえてホモセクシャルのほうに持っていかなくてもよかった気もするが、それを言ったらおしまいですか。この手の小説の予定調和的プロットをたどるのかと思いきや、意外な結末だった。元警官のサイモンも、マックやジョニーと同…

世界堂書店

米澤穂信編、文春文庫。じつに多彩なすばらしいアンソロジー。巻頭『源氏の君の最後の恋』の多田智満子の日本語にうっとりし、『シャングリラ』の最後の場面にぶっとび、『東洋趣味』のこだわりに驚き、『私はあなたと暮らしているけれど、あなたはそれを知…