世界堂書店

米澤穂信編、文春文庫。じつに多彩なすばらしいアンソロジー。巻頭『源氏の君の最後の恋』の多田智満子の日本語にうっとりし、『シャングリラ』の最後の場面にぶっとび、『東洋趣味』のこだわりに驚き、『私はあなたと暮らしているけれど、あなたはそれを知らない』の不思議さに酔い、『石の葬式』の奇想にガルシア・マルケスを思い出した。米澤さんの解説がまたすばらしい。