2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

喪失

モー・ヘイダー、早川書房。未訳の前作から続いている話(しかも殺人がらみ)がよく見えないのが難点だが、それを除けば立派なもの。イギリスの作家だけれども、話の端折り方(と言って悪ければ、エピソードのつなげ方)がアメリカのテレビ番組と似ているか…

特捜部Q―カルテ番号64―

ユッシ・エーズラ・オールスン、早川書房。カール・マーク、アサド、ローセのチームワークが愉しい。デンマークに実在した女子収容所に取材し、そこの物語を現在進行の捜査と交互に織り交ぜたのも、リーダビリティアップに貢献。ただ、地の文にカール視点で…

コリーニ事件

フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社。長篇というより、いつもの短篇ひとつを少し引き延ばした感じ。つまり、あくまで「自分にとっては」梗概を読んでいるのと同じで、読む行為そのものに喜びがない。これはもう相性が悪いというしかありませ…

チャイルド・オブ・ゴッド

コーマック・マッカーシー、早川書房。とうてい内容のすべてを理解しているとは言いがたいが、強く惹かれる。斧の刃を鍛えることへのこだわり。火への執着。でもやはり国境3部作が好きです。