2020-01-01から1年間の記事一覧
この話がすぐれているのは、諸侯の戦いだけにせず、生者対死者というより大きな戦いを嚙ませているところ。1頭のドラゴンの扱いなど、本当に感心する。
アンソニー・ホロヴィッツ、創元推理文庫。相変わらずのフェアな謎解きには好感を持つが、前2作より落ちるのではないか。登場人物のホロヴィッツがどたばたしすぎているし、ホーソーンはそもそも魅力に欠け、あとの人々はみなステレオタイプで、謎解きを見せ…
マイケル・エングラー監督、ヒュー・ボネヴィル、エリザベス・マクガヴァーン、マギー・スミス。あれこれあってもきれいに落ち着くピース・アンド・ハーモニーの世界。いいですね。
ミン・ジン・リー、文藝春秋社。4世代にわたる在日コリアンの家族の物語。驚くほどすらすらと読めて、ドラマチックなのだが(たしかに朝ドラふう)、少しきれいすぎないかという不満は残る。たとえば、獅子文六の『大番』や宮本輝の流転の海シリーズのような…
ニック・ピゾラット原案、マシュー・マコノヒー、ウディ・ハレルソン。定型といえば定型だけれど、非常によくできた脚本。ルイジアナ州の美しい映像。バイユーの雰囲気もよくわかる。マコノヒーの鬼気迫る演技も。
ヴィクター・メソス、早川書房。飲んだくれの女性弁護士が主人公だけれど、読後感爽やかな1冊。
是枝監督の探究する「家族」のひとつの極限だと思うけれど、これは1本の枝の先であり、太い幹はもっと別のところにあってほしいと勝手に願う。惹かれる台詞や役者の表情は多々あるが、ちょっと悲しすぎて観るのがつらかった。 万引き家族にしろ、パラサイト…
ついに完結。マクノルティが事件をでっち上げるのは見ていてつらかったが、最後の警官たちの行きつけのバーのシーンはすばらしい。あと、このシーズンではマイケルの存在感が光った。とくに友だちと別れるエピソード9のラスト(脚本はペレケーノス)。その彼…
ヘニング・マンケル、創元推理文庫。警察小説というよりヴァランダー小説になっているが、今回はそれでいい。謎が解かれても不明な部分はけっこう残っているが、それもいい。むしろ現実的に思える。長いあいだ、このシリーズには本当に愉しませてもらった。
警察の捜査を描きたいのではなく、ボルティモアの街を描きたいのだということがはっきりわかるシーズン。麻薬を売りながら、別の集団と抗争しながら、学校にかよう子供たち。いちばん心に残ったのは、マイケル。突然家に戻ってきた父親に反発し、マルロのギ…
真山仁、角川書店。警視庁の藤田がいいキャラ。いかにもこういう○○が警察に紛れこんでいそう。 「 」のあと、主語なしの主観的1文が入って、次の「 」が始まるのが真山文体。 「………」 さもありなん。 「………」 とか。翻訳書の影響ですかね。かっこいい。
C・J・ボックス、創元推理文庫。とくに後半の冒険部分がすばらしい。シリーズ第2作『逃亡者の峡谷』とある点でつながっているのも興味深かった。ジョーは次にどのような仕事につくのか。
第3話はデニス・ルヘインが脚本を書いている。その回は台詞の見得が増えて、ストリンガーも1割増しぐらい賢くなった感じ。ご本人は別の回に証拠保管室の係員としてカメオ出演も。でもやっぱり、シーズン2がおもしろかったなあ。
ジェイソン・レナルズ、早川書房。兄の仇討ちをしようとする弟がエレベーターに乗って下までおりるあいだに体験すること。企みに満ちた小説。この作家の短篇を読んで感心し、これも読んでみて感心。しかしこのタイトル、気持ちはわかるけれど、ほかの案はな…
スティーヴン・ミルハウザー、白水社。相変わらず質の高い短篇集。最初の「ミラクル・ポリッシュ」から引きこまれ、最後の「ホーム・ラン」も自分で訳してみたいと思うほどだが、なぜか強く印象に残ったのは、釈迦誕生の話「若きガウタマの快楽と苦悩」w
アガサ・クリスティー、早川書房。メインのトリックは後年の別の作品と同じだが、出来は甲乙つけがたい。目くらましはこちらのほうが上かもしれません。途中で、わかってしまったと思うものの、すぐにはずされる。パーティでの伏線の仕込みもしゃれている。
ドミニク・ウェスト、クリス・バウアー、エイミー・ライアン。シーズン1より断然おもしろい。埠頭を舞台にしたのが大正解。本シーズンの主役は、刑事たちというよりソボトカ親子だろう。
ディーリア・オーエンズ、早川書房。たしかに自然描写はすばらしい。さすがは動物学者。カイアがカモメに餌をやるところなど、じつに絵になる。細部は本当に大事ですね。一方、プロットはstraightforward。犯人は途中からふたりしか考えられないが、まあ、落…
ミシェル・マクナマラ、亜紀書房。長年、カリフォルニア全土にわたって強盗、強姦、殺人をくり返していた犯人を、著者がアームチェア・ディテクティブよろしく追いつめていく記録。本書が直接犯人逮捕に寄与したということはないようだが、臨場感がすばらし…
ドミニク・ウェスト、イドリス・エルバ、ドメニク・ランバルドッツィ、セス・ギリアム。地味な捜査の積み重ねで、最初は誰が誰かわからないが、オマールが恋人(男)を殺されて復讐に走ったり、キーマが撃たれたり……のあたりからがぜんおもしろくなった。か…
チャン・フン監督。ソン・ガンホ、トマス・クレッチマン。いくらか実話にもとづいているという。傑作。ソン・ガンホは本当にすばらしい役者だ。香港映画が隆盛を極めたころのチョウ・ユンファを思い出す。ハン・ガン『少年が来る』に続き、光州事件が自分に…
ドン・ウィンズロウ、ハーパーコリンズ。これだけの内容をぶちこんで、きちんとエンターテインメントになっているところが何よりもすごい。
ラージャマウリ監督、プラバース、ダッグバーティ、シェッティ、タマンナー。バーフバリ2世がシヴァガミによって滝の下に運ばれ、長じて滝をさかのぼり、カッタッパたちに合流。カッタッパが語るバーフバリ1世の人生。1世が蛮族カーラケーヤを倒して王に指名…
ラージャマウリ監督、プラバース、ダッグバーティ、シェッティ。まちがってこちらを先に観てしまった。バーフバリ1世の恋と2世誕生、しかし1世は謀殺され、息子の王の邪悪さに気づいたシヴァガミが2世を連れて逃げようとするが、背中を矢で撃たれる。そして2…
C・J・ボックス、集英社文庫。ジョー・ピケット・シリーズの2作目なので、まだネイトも出てこない。しかし、初期作品の勢いと新鮮さが感じられるし、環境保護テロリストとのバディものという味もある。佳作。
スザンナ・ホワイト監督、ユアン・マクレガー、ダミアン・ルイス。ル・カレ原作の映画は2時間前後の尺に収めようとすると、どうしてもいろいろ端折らざるをえないが、これはずいぶんシンプルにした感じ。ディマとペリーがどうして信頼し合うに至ったか、プリ…
ジョー・ジョンストン監督、サム・ニール、トレヴァー・モーガン。ロゴがスピノサウルスに。翼竜プテラノドンも活躍。ラプトルが本篇から急にしゃべりだす。
スピルバーグ監督、ジェフ・ゴールドブラム、ジュリアン・ムーア。前半は恐竜がらみのサスペンス不足。しかし、サンディエゴのパニックは見事。
ベルナール・ミニエ、ハーパーコリンズ。読ませる力はあるのだが、こんなにうまく人を追いつめることができるものだろうか。都合のいい偶然が重なりすぎている気がする。オペラの使い方もどうでしょう。もう少し数をしぼって、章タイトルなども整理すればい…
コリン・トレヴォロウ監督、クリス・プラット、グライス・ダラス・ハワード。そこそこ愉しめる。プラットははまり役かも。