2020-01-01から1年間の記事一覧
ウォン・シニョン監督、ソル・ギョング、キム・ナムギル、キム・ソリョン。主人公がアルツハイマーなので、「信頼できない語り手」的なところがあるが、まずまずか。巡査の頭がパカッというのは不要だったと思います。
ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス。ラストがしゃれている。ちょっと意味がわからなくて、何度か見直したんですけどね。これを届けなければという思いが生きる希望になり、それが将来につながったということかな。
エイドリアン・マッキンティ、早川書房。作者が著作エージェントに構想を話したとたん、ほかのことはすべてやめてこれに取りかかりなさいと言われたのもうなずけるウルトラ・ページターナー。だが、話自体はイヤミスの部類でしょうか。ちょっとつらすぎる。
イ・ヒョンスン監督、ソン・ガンホ、シン・セギョン。切れ切れに見たせいか、どうも筋がつかめませんでしたが、まあ最後の塩田の場面がきれいだったからいいか。
I・W・ハーパーの一パイント・ボトルから直に飲み、チェーサー代わりに口いっぱいに雪をほおばった。ウイスキーは火かき棒のように熱く、丸みを帯びて流れ落ち、胃のなかでかっと燃え、それからぬくもりとともに四肢を移動し、下腹のあたりにぬくもりの小…
ユン・ジェギュン監督、ファン・ジョンミン、キム・ユンジン。実話にもとづいているんでしょうかね。朝鮮戦争時の興南撤収作戦のことも初めて知った。再会の場面はもちろん、冒頭の別れから泣ける。しかし、あまりに正攻法すぎて鼻白まないでもない。老人の…
辻原登、朝日選書。ドストエフスキーに谷崎潤一郎ときたら読まないわけにはいきません。非常に刺激的でおもしろい内容だった。自由間接話法の説明なども、なるほどと納得。
ついに完走。長かった。話題のエンディングは、まあこんな感じでしょう。最後に大事件があるのかと思いきや……でしたね。
北上次郎、早川書房。『昭和残影』の息子さん版かと思いきや、書評もついている。犬のジャックや息子さんたちの話に特化してもよかったかと思うけれど。とはいえ、こんなにも読んでいない作家や本があったことを知らされて愕然とする。ひとつのテーマごとに…
そして彼女は喜んで教えてくれた。それぞれの家具がもっともよい状態で光を受けているのをとらえるには、どこに、何時に立つべきかを。午後遅くに、日の光がぐるりと部屋をめぐるときーー」彼はパッ、パッ! と指を広げた。「それらの家具はひもの付いた爆竹…
とにかくいつまでも聴いていたいような圧倒的な美音。緩徐部分のあまりにもゆったりしたテンポは、ベルリンフィルの技術なくしては成り立たないと思えるほど。9番の美しさは特筆に値する。7番終楽章のワグナーの香りもすばらしい。8番はスケルツォがさすがに…
ソフィー・エナフ、早川書房。はぐれ者たちが未解決事件を捜査する特捜部Q的なシリーズの1冊目。さくさくと愉しく読めるが、特捜部と同じく、どうも笑いをとりにいく場面になじめず、いっそなければと思ってしまう。まじめ一辺倒じゃいけないんでしょうか。