2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとりでは生きられないのも芸のうち

内田樹、文藝春秋。白眉は「食の禁忌について」。なぜハンニバル・レクター博士が神格化されたのか。「それは、「人間を殺して食う人間」は「動物を殺して食う人間」に「罰」を下しているということである。キリストがその愛によって人間たちの罪を贖ったの…

ジンマンのマーラー第6

このチクルスは本当に録音がいい。オケの立体感がくっきり出ている。ジンマン+トーンハレに向いているのではないかと思った第6番で感心したのは、アンダンテ・モデラート。まことに清々しい「眺め」です。

オン・ザ・ロード

ケルアック、河出書房新社。正直なところ、前半はまったくつまらなかった。乱暴な印象を述べれば、こそ泥たちが薬やって移動して騒いでるだけ。ところが、第3部から物語は別次元に入る。あいかわらず移動「依存症」なのだが、サルとディーンの「ふたりのな…

日本語のこと

韓国語でカラオケを歌うと口が疲れる。慣れないということももちろんあるけれども、そもそも母音、子音の数が日本語よりずっと多いので、かなり口を動かさなければならないのだ。日本語でたんに「チョン」と書かれるものも、韓国語だと十種類以上の発音があ…

カラヤンのアイーダ

まさに十数年ぶりに、全曲通して聴いた。CDをかけても、たいてい第1幕で終わっていたのです。ところが、いまさら言うまでもないことながら、2幕以降もじつにいい。オケはウィーンの洒脱もどこへやら、重く厚く轟いているし、第3幕のフレー二の歌唱も情…