日本語のこと

韓国語でカラオケを歌うと口が疲れる。慣れないということももちろんあるけれども、そもそも母音、子音の数が日本語よりずっと多いので、かなり口を動かさなければならないのだ。日本語でたんに「チョン」と書かれるものも、韓国語だと十種類以上の発音がある。思えば、私が知ることばのなかで、日本語ほど口の動きを節約できることばはない(津軽弁などその極北かも)。

音の要素が少ないということは、すなわち同音異義語が多くなるということだ。私たちはその多くを、漢字やひらがな、カタカナの書き分けで吸収している。それでも対応しきれない部分については、前後の文脈で判断している(たぶん)。

日本語は他言語に比べて、構造上かなり「文脈」依存なのではないか。敷衍すれば、やたら「空気を読む」風潮も、使っている言語の特徴にいくらか由来するのではないか、と考えた次第。