2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

大番

獅子文六、小学館文庫。痛快そのもののエンターテインメント。丑之助がんばれ。おまきさん、あっぱれ。ラストは壮絶にして爽快。宇和島市に「大番」という菓子があるが、この小説がもとになっているとは知らなかった。小説のなかで、田舎はどちらかと言えば…

震える山

このところ、翻訳ミステリの世界で非常に評価が高いジョン・ハート。『川は静かに流れ』を読んでもなぜか乗れず、理由がわからなくて困っていたのだが、『ラスト・チャイルド』を読んでようやく腑に落ちた。この人の作品、感情移入できる人物がひとりも登場…

今日のことば

7月26日の朝日新聞より、宮崎駿氏。岩波少年文庫の50冊に推薦文を書いたことに寄せて。 「取り返しのつかないものを書くのが大人の文学。取り返しがつくかも知れない、というのが児童文学。僕は大人の小説を読む人間じゃない」「まじめに努力し続ければなん…