2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

五匹の子豚

アガサ・クリスティー、早川書房。途中まで真相がわかったので、もしかすると昔読んで忘れていたのかと思ったけれど、やはり読んでいなかったのかな。こういう叙述トリックはいかにもクリスティーらしい。ただ、ひと昔前の事件を解明するために関係者全員が…

ザ・ソプラノズ シーズン5

少し展開があった。といっても、FBIに情報を流していた彼女の末路とか、ニューヨークのボスの逮捕とか、予想外というほどではない。それでも見てしまうところがミソ。

葬儀を終えて

アガサ・クリスティー、早川書房。『そして誰もいなくなった』や『アクロイド』、『ナイル』など有名作品の陰に隠れて目立たないが、これは傑作。クリスティーの冷たい観察眼も愉しめるし、関係者を集めての大団円やトリックも含めて、じつに端整な仕上がり…

地の底の記憶

畠山丑雄、河出書房新社。英語の関係代名詞節のように、主節から話がどんどん離れてうしろにつながっていく。途中、着地点はまったく見えないが、最後にはきちんと着地。不思議な愉しい感覚を味わいました。

メインテーマは殺人

アンソニー・ホロヴィッツ、創元推理文庫。相変わらずよく練られた謎解きだが、カササギのときほどは感心しなかった。なぜだろう。ホーソーンに魅力がなかったからか。カササギの多層構造に比べて事件がシンプルすぎたからか。もとより個人的にはあまり謎解…

生まれながらの犠牲者

ヒラリー・ウォー、創元推理文庫。13歳の娘の失踪というワンイシューでよくこれだけ読ませる。各警官のキャラクターや個人的な背景が豊かな北欧ものを読み慣れたせいか、署長をはじめ、地味に捜査を進めるあまり色のない警官たちがクロフツっぽいと思ったり…

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番/交響曲第3番

インキネン、日フィル、ヴォロディン。PC4番はもともと異色の曲であるうえ、ヴォロディンのなめらかで細やかな演奏によって、なんだかベートーヴェンとは思えないような味わい。アンコールのシューマン/リスト「献呈」は、過去に聴いたなかで最高でした。翌…