2018-01-01から1年間の記事一覧

ベルリンファイル

リュ・スンワン監督、ハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、リュ・スンボム、チョン・ジヒョン。大筋はわかるのだが、CIAが絡んだ武器取引の冒頭が理解しにくい。韓国国家情報局員の行動もわかったような、わからないような。アクションはシャープで見応えあり。最…

渇き

パク・チャヌク監督、ソン・ガンホ、キム・オクビン(正しくはオクピンだろう)。パク・チャヌクは、BBCドラマ版ル・カレ『リトル・ドラマー・ガール』の監督もまかされた。たしかに彼にしかできない映画表現はあると思う(好きかどうかは別として)。そこが…

用心棒

デイヴィッド・ゴードン、早川書房。スーパー多視点で、最後のチェイスがすばらしい。あえて難を言えば、FBIのドナがあまり活かされていない気はしましたが。これからも読みつづける。

トップハット

www.youtube.com 先日、あるかたとフレッド・アステアの話になって、懐かしく思い出した。個人的にはアステアの最高峰はこれだと思う。なんという品のよさ。重力を感じていないかのよう。

殺人の追憶

ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ、キム・サンギョン。安心と信頼のソン・ガンホw キム・サンギョンは別所哲也にしか見えない。こういう終わり方もあるんですね。あまりないタイプかも。

ワニの町へ来たスパイ

シャナ・デリオン、創元推理文庫。CIAの有能なスパイがルイジアナの片田舎に送りこまれたことによるドタバタ喜劇。でも彼女、スパイじゃなくて殺し屋(よく言えば工作員)でしょう。

キャッツ

劇団四季。さすがに愉しい舞台。『ライオンキング』より小ぶりなシアターで、筋でわくわくさせるというより、歌と踊りで魅了するタイプ。娼婦猫の曲はどれも秀逸。ロイド・ウェバーらしい転調ですな。

死に山

ドニー・アイカー、河出書房新社。今年最良の1冊と言っていい。極寒の雪山の異様な遭難事故にも引きつけられるが、著者の推理にもたいへん説得力がある。

インサイダーズ

ウ・ミンホ監督、イ・ビョンホン、チョ・スンウ。原題は『内部者たち』。最後の罠はなるほどという感じだけれども、祖国日報主幹イ・ガンヒとチンピラのアン・サングの関係がわかりにくい(唐突に回想場面に切り替わるのでなおさら)。兄弟分だというが、ど…

無痛の子

リサ・ガードナー、小学館文庫。『カササギ殺人事件』がクリスティへのオマージュだとすれば、見立て殺人や、収監されたソシオパスを訪ねる刑事、街に放たれたシリアルキラーなど、こちらはトマス・ハリスへのオマージュがたくさん。そもそもの設定にはやや…

いろとりどりの親子

レイチェル・ドレッツィン監督、アンドリュー・ソロモン。ふつうではない6組の家族のドキュメンタリー。とくに泣けたのは、自閉症の子と初めて意思疎通ができたときのことを語るお母さん("He is real.")と、低身長のカップルの妻の妊娠を知った夫の両親の…

ゲット・アウト

ジョーダン・ピール監督、ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード、リルレル・ハウリー。アマゾンに薦められて見たが、これまた後味が非常に悪い。もちろんそれを狙っているわけですが。主人公のうまさは救い。

日曜の午後はミステリ作家とお茶を

ロバート・ロプレスティ、創元推理文庫。日本語タイトルは英国風だが、れっきとしたアメリカ人作家による短篇集。どれもよくできているが、「シャンクス、殺される」がベストではないだろうか。自分なら、「シャンクスはバーにいる」か「シャンクス、物色し…

猟奇的な彼女

クァク・ジェヨン監督、チョン・ジヒョン、チャ・テヒョン。設定は古いし、ありふれているしなどと思っていたら、タイムカプセル以降の30分できちんとまとめて、しみじみさせるから油断できない。『冬のソナタ』的なところもあり(偶然がすぎるところもw)…

Shostakovich - Jazz Suites

あの重厚長大な交響曲群を作曲した人とは思えないほど軽妙で、愉しい組曲。振り幅激しいですね。ジャズというよりはダンス音楽だけど。映画音楽にもそのまま使えそう。 www.youtube.com

日本語歌詞の"L"発音について

どうでもいい話題ながら、日本人の歌手が、とくにサビなどでラ行を"L"で発音しはじめたのは、いつからだろう。今井美樹やJUJUは、サビだけじゃなくて日本語歌詞のラ行の大半がL発音。LのほうがRよりクリアな音だから、耳に心地よいのだろうけれど、これを始…

ハイティンク/ショスタコーヴィチ

ショスタコーヴィチの交響曲を初めて全曲聴いた。現代のオーケストラでできることはマーラーがやり尽くしたかに見えたけれど、まだあったということですね。とくに打楽器。重い緩徐楽章もすばらしい。5番や10番がいいのはもちろんだが、意外に6番が美しかっ…

カササギ殺人事件

アンソニー・ホロヴィッツ、創元推理文庫。たいへん緻密・丁寧な仕事で、クリスティを初めとする古典ミステリへの愛も満載。本格好きにはたまらないだろう。近年屈指の収穫であることはまちがいない。

コクソン

ナ・ホンジン監督、クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼。韓国版エクソシスト? だが、本家より怖いし、後味も悪い。いろいろな意味でつらい映画でした。

ショルティ/マーラー

いや本当にシカゴ響の管はすばらしいなあ。とくに感心したのは第5番。私にとっては決定盤。久しぶりにCDを聴いて興奮した。7番もいい。思えばどちらも管が大活躍する曲でした。8番はポップがすばらしい。 対照的に、9番はじっくり型の演奏。第1楽章の最大の…

チェイサー

ナ・ホンジン監督、キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ。日本映画ではないのだ、ありきたりなハッピーエンドを期待してはいけなかった。テーマもテーマだし、実際の犯罪にもとづいているというし。それにしても、この監督といい、パク・チャヌクとい…

ショルティ/ブルックナー

改めてシカゴ響の管楽器の抜群の安定感と美しさに驚く。全体的に快調快速な演奏が多いが、特筆すべきは交響曲第5番の第2楽章で、これまで聴いたどの盤よりゆったりしていて(ヴァント盤より5分以上長い)、おかげで総演奏時間が8番より長くなっている(驚)…

小澤征爾さんと、音楽について話をする

村上春樹、新潮文庫。小澤さんがみずから振った昔の演奏を聴きながらこう語る。 小澤「ここはもっとやるべきなんだ。もっとディレクションをはっきりするべきです。こうじゃなくて、たあ、たあ、たーーん(アクセントを強調する)、という具合に。もっと勇気…

アメリカン・ビューティー

コメディとして笑い飛ばすべきなのか、悲劇としてシリアスにとらえるべきなのか、対処に困る作品。アメリカの病という病をできるだけ詰めこんでみたということだろうか。役者の熱演は認めるけれども。

ショルティ/ワグナー

結局自分はショルティが好きなのだという結論に至りつつある。カラヤンが「歌」の人だとすれば、ショルティは「推進力」の人。歌のほうがいい? でも思い返せば、ブルックナーの7番も9番も、いちばん聴いたのはショルティだった。9番の第1楽章はなかなかテン…

ピラミッド

ヘニング・マンケル、創元推理文庫。ヴァランダー・シリーズの短篇集。父親やモナとの関係は各篇で変化していて、わかりやすいかもしれない。事件のほうは、あいかわらず地道な捜査が続くだけだが、「写真家の死」と表題作「ピラミッド」は読み応えあり。ヴ…

特捜部Q 檻の中の女

ミケル・ノルゴート監督、ニコライ・リー・コス、ファレス・ファレス。にこりともしない(そういう設定だからしかたがない)頑固者と移民(?)のコンビが未解決事件を解決していくという枠組みは、たしかに使い出がある。映像は繊細で美しく(とくに交通事…

JSA

パク・チャヌク監督、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、ソン・ガンホ、シン・ハギュン、キム・テウ。筋立ては非常にシンプル。役者はみなうまい。とくにソン・ガンホ。

メンタリスト シーズン7

やはり勢いの衰えは否めないか。最後の連続殺人犯とか、とってつけたような。レッド・ジョンにまつわる謎も謎もままだし(なぜジェーンの絞りこんだ容疑者7人とか、あれほどの情報を知りえたのか、など)。しかし、海外ドラマの愉しさを教えてもらったシリ…

真夜中の太陽

ジョー・ネスボ、早川書房。こんな隠れ場所もあったのですね。ラストはちょっと意外だった。