2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

古書の来歴

最初は、ずいぶん主人公のベッドインが早いななどと不埒なことを考えながら読んでいたが、来歴その1の章が終わって、作者はこういうことがしたいのかとわかると、がぜん面白くなった。強烈なキャラクターやプロットのツイストで読ませる本は多けれど、「構…

半九郎闇日記

角田喜久雄、小学館文庫。奇想天外とはこのことである。赤穂浪士に竜宮、地下の人形館、八丁堀同心、悪徳商人……どうなることかと思ったら、最後には見事に収拾。しかし、小説としての最大の功績は、松前屋本蔵/お役者小僧という稀有な悪人を生み出したこと…