2019-04-16から1日間の記事一覧

ある男

平野啓一郎、文藝春秋。たいへんに頭のいい作家で、物語をめぐるすべてが過不足なく、説得力をもって描写されている。ウォッカを飲んで酔うときの「角度」など、比喩も巧みだし、ナルキッソスをめぐる『変身物語』も全体の筋ときちんと呼応していて、最初は…