パーヴォ・ヤルヴィ、フランクフルト放送交響楽団

 久々にサントリーホールに出かけたところ、リストのピアノ協奏曲を弾いたアリス=紗良・オットさんがなんと裸足。初めて見た。日本人はふだん家のなかで靴をはかないからペダリングに難あり、なんて話を聞いたことがあるけれど、なるほど、こんな手もありますね。女性ピアニストがみんな裸足になったりしたら、ちょっとびっくりだけど。オットさんは舞台袖に引き上げるときも足取り軽やかで、バレリーナかシンクロの選手かというような……
 話がそれました。続くマーラーの5番も、数年に一度味わえるか味わえないかというほどすばらしかった。勇壮、豪快、でもしなやかで、歌もたっぷり。あのホールでオケが一体となって最大音量を出したときの気持ちよさといったら。頭のなかがスコーンと空になる。ヤルヴィさん、また来てね。