2023-01-01から1年間の記事一覧

ポケットにライ麦を

もとが名作だと思う。自分が育てたお手伝いさんが殺されたことに怒り、事件の解決に立ち上がるマープルがかっこいい。

殺人は容易だ

これももとはマープルではない単独作品。暗い。いくら殺人が容易だといっても、犯人は次から次へと殺しすぎでは? こんなに殺したら、誰でも偶然ではないとわかるし、犯人の目星もついてしまうのではないでしょうか。

別れる決心

パク・チャヌク監督、最初はなんのことやらさっぱりわからなかったが、途中からおもしろくなった。「愛している」と言っていないけれど、そう解釈できる台詞もよかったし、2回の殺人のハウダニットもよくできている。

モンスター・パニック

マックス・ブルックス、文藝春秋社。もっと早くサスカッチが出てもいいと思ったが、出てからはおもしろく、戦いのシーンもたっぷりあって後半は読ませる。ラスト、はたしてふたりの行方は。

泣く子はいねぇが

佐藤快磨監督、仲野太賀。脚本もいい、役者もいいのだが、こういうところにはまってしまう日本映画について考えてしまう。主人公が不憫で。もう少し明るいほうへ行ってほしかった。

ゼロ時間へ

原作はすぐれていると思う。なぜ犯行が左利きに見えたか、の説明など気が利いていて。でもドラマでは、なぜミス・マープルがここにいるのか、よくわからない。もともとノンシリーズ作品ですからね。

無実はさいなむ

おなじみ家族の確執ものだが、このシリーズのなかではいい出来だと思う。

悪魔はいつもそこに

ドナルド・レイ・ポロック、新潮社。内容はけっこうグロいけれども、不思議と嫌な印象は残らない。ヒッチハイカーを狩る夫婦の結末が意外にあっけなかったような。あと、滝本氏のあとがきがすごすぎる。

ヒート

マイケル・マン監督、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ。『ヒート2』を読むまえにということで。市街の銃撃戦のシーンが有名だが、ロスの夜景がきれい。だから『ヒート2』の表紙も夜景なのかと。しかしデ・ニーロはどんな役をやっても絵になりますね。…

怪物

是枝裕和監督、安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子。主人公の子供たちは5年生の設定よりもっと子供に見えたが。よくあんなにうまい具合に電車の廃車があったものだ(それともわざわざ設営?)。校長役の田中裕子が怖すぎる。ラスト、坂本龍一のAquaが沁みました…

はなればなれに

ドロレス・ヒッチェンズ、新潮社。犯罪にかかわる若者3人だけでなく、スキップの叔父(AAで更生!)やその犯罪者仲間など、まわりが充実していて読ませる。『俺たちに明日はない』などとはまったく別の結末に着地する、予想外の展開も見事。矢口さんご指摘の…

狼の幸せ

パオロ・コニェッティ、新潮社。あいかわらずいい雰囲気。グラッパにはハイマツの実が入ってるんですね。でもやはり『帰れない山』が一頭地を抜いているかな。

マイ・ディア・ミスター

IU、イ・ソンギュン。Facebookの韓国ドラマのグループでも大人気だし、『私の解放日誌』のパク・ヘヨンの脚本ということで、観なければと思った次第だが、ジアンがあまりに悪人なので嫌になった。エレベーターのなかでまえの人のポケットから携帯を盗んで、…

バートラム・ホテルにて

シタフォードに比べると、推理はわりときちんとしているけれど、マープルが探偵役をする必然性はありませんね。ホテルのメイドが刑事といっしょに活躍するし。

破果

ク・ビョンモ、岩波書店。独特の饒舌体で綴る、65歳の女性殺人者の話。韓国にはこういう作家がまだたくさんいるのだろうか。興味深い。

KCIA 南山の部長たち

ウ・ミンホ監督、イ・ソンミン、イ・ビョンホン。実際の大統領暗殺事件にもとづいた映画。しかしこの暗殺が全斗煥大統領を生み、光州事件を起こしたわけである。

シタフォードの謎

ジェラルディン・マクイーワン、ティモシー・ダルトン。原作はノンシリーズものの『シタフォードの秘密』(早川書房)。原作に出てこないマープルを入れただけでなく、設定や筋もかなり変えているようです。雪に閉じこめられた館で降霊術というお膳立てはま…

私の解放日誌

ソン・ソック、キム・ジウォン。パク・ヘヨンの脚本がすばらしい。あいかわらず演技もみんな達者です。

ミン・スーが犯した幾千もの罪

トム・リン、集英社。妻を奪われた男の復讐譚だが、本筋より預言者の予告どおりに死んでいく人々が印象的。つまり殺し屋ミンは「運命」の具象化なのか。この世ならざる能力を持つ旅芸人たちも忘れがたい。

哀惜

アン・クリーヴス、早川書房。落ち着いた雰囲気のミステリー。丁寧に作りこまれている。主人公の警官がゲイというのは最近の流行りなのか。その設定が謎解きに関係していないところがかえって自然。

ザ・グローリー

ソン・ヘギョ、イ・ドヒョン。学生時代に残酷ないじめに遭った女性の復讐劇。この手の素材でドラマを作らせたら、韓国はいま世界一でしょう。終わり方からすると、シーズン2もあるのかもしれませんね。

ポピーのためにできること

ジャニス・ハレット、集英社文庫。これは掘り出しものでした。たいへん愉しい。

もの言えぬ証人

ドラマ版。犬のボブがかわいい。ただ、ミステリーのドラマとしてはあっさり終わりすぎで、原作のほうがコメディタッチでおもしろいかも。

第三回立川流三人の会

3月29日、高田文夫プロデュース、明治座。入口前の桜が美しい。立川志の輔「親の顔」、志らく「親子酒」、談春「文七元結」。志の輔師匠がうまいのはわかっているが、談春師匠もさすが。次々と出てくる登場人物の演じ分けが見事。夜の部では、志らく師匠が文…

サバイバー 60日間の大統領

チ・ジニ、ソン・ソック、チェ・ユニョン。恋愛ものが中心の韓国ドラマファンサイトなどではあまり話題になっていないが、かなりおもしろい。政治の仕組みも興味深い。黒幕の動機だけがちょっと疑問(リセットしたい気持ちはわからないでもないが、なぜあれ…

名探偵と海の悪魔

スチュアート・タートン、文藝春秋。設定はとても魅力的だが、このかたはプロットやトリックを複雑にしすぎるきらいがある。

優等生は探偵に向かない

ホリー・ジャクソン、東京創元社。相変わらずおもしろいのだが、単独でお薦めするには、前作とのつながりが多いのが難点か。小さな町でひどく混み入った事件が2件続くというのもリアリティ上どうかという……まあ、それを言ったらきりがありませんね。

1794

ニクラス・ナット・オ・ダーグ、小学館文庫。俗悪でありながら美しいストックホルムの描写、魅力ある登場人物。1793未読なので、人間関係の把握にやや戸惑ったが、途中からはのめりこんだ。犯人はスウェーデン版ハンニバル・レクターと言っていいのではない…