スクロヴァチェフスキ@東京オペラシティ

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキザールブリュッケンカイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
シューマン交響曲第4番 ニ短調 op.120
ブルックナー交響曲第9番 ニ短調

ふたつ並ぶと、やはりオーケストレーションシューマンよりブルックナーのほうが格段上だなと。しかし、そんなことはどうでもよろしい。どちらの曲も、とても90近い指揮者の演奏とは思えない、溌剌とした、というより爆発的な演奏だった。ブルックナーもなだらかなところは皆無。総じてテンポが速く、ごつごつしていて、聞いたこともないようなフレーズがはっきり聞こえ、半音階や不協和音もくっきり。なるほどこの曲はワグナーへのオマージュですね。大好きな第1楽章第2主題が、ふつうは初出のほうがかっこいいのだが、今回は再現部のほうが胸に迫ったことも記しておきたい。

決して好みの演奏ではないけれど(そう思った人は多いのではないか)、指揮者と楽団のなんとも表現しがたい「力」に圧倒された。貴重な体験だった。