オリバー・ツイスト


チャールズ・ディケンズ新潮文庫。圧巻は第47〜48章。ナンシーを惨殺したサイクスがロンドンを彷徨う姿は、そのまま『罪と罰』のラスコーリニコフと重なる。

 殺人者は法の裁きを免がれ、神は眠りたもうと思うなかれ。このような恐怖の苦しみにみちみちた一分間の中には、殺されるものの四百倍もの苦しみがあるのだ。