2021-01-01から1年間の記事一覧

グランド・マスター

ウォン・カーウァイ監督、トニー・レオン、チャン・ツィイー。映像美がすばらしい。スローモーションが多すぎる気もするけれど、完璧な構図に完璧な動き。異次元だと思いました。

ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る

エディ・ホニグマン監督。2013年ワールドツアーのドキュメンタリー。すばらしい。長引く感染症拡大で、絆とか、力をもらうとか、軽々しく口にされている気がするけれど、音楽が生きる力になるというのは、本当はこういうことを言うのではないでしょうか。ア…

ザ・キング

ハン・ジェリム監督、チョ・インソン、チョン・ウソン。ロックな映画。日本でもこのようなことはあるのだろうなと思わされる。最後の選挙結果を示さないところが秀逸。

アメリカン・スパイ

ローレン・ウィルキンソン、早川書房。「女ってだけじゃありません。黒人の女です。わたしはすでにツーストライク取られてるんです」と言うFBI捜査官。CIAから声をかけられてブルキナファソの大統領にスパイ活動をすることになる。いまひとつ乗れなかったが…

密偵

キム・ジウン監督、ソン・ガンホ、コン・ユ。最初は人間関係がわかりにくいけれど、ソン・ガンホが日帝のもとで働きながら独立運動に力を貸すようになってからは展開が早い。

ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている

R・J・カトラー監督のドキュメンタリー。歌がうまいといっても、オペラ歌手的な歌唱力ではなく、一人ひとりに語りかけるような歌唱が若者の心をとらえたのだろうか。ときおり驚くほど大人びた表情を見せるが、まだ18歳。この若さでこれだけの名声を得たこと…

ミセン

イム・シワン、イ・ソンミン、カン・ソラ。本当によくできている。ドラマとしての成否は、ひとえにオ課長(→次長)にかかっていたと思うが、その点、イ・ソンミンの演技は見事でした。

ホテル・ネヴァーシンク

アダム・オファロン・プライス、早川書房。これはすばらしい。裏表紙には「ゴシック・ミステリ」とあるが、ちょっとちがうと思う。キャッツキル山地に立つ豪華ホテルにかかわった一族をめぐる短篇小説集といった味わいか。とくに、オーナーのレンの妻で、父…

ミラクル・クリーク

アンジー・キム、早川書房。高気圧酸素供給による治療、韓国系移民、障害のある子を持つ家庭、不妊治療などをからめた法廷ミステリーだが、なぜかあまり好みではなかった。個人的に、多視点の小説に食傷気味なのかも。

警部ヴィスティング カタリーナ・コード

ヨルン・リーエル・ホルスト、小学館文庫。大きな事件が起きるわけではなく、警部ヴィスティングと、ジャーナリストの娘リーネと、国家犯罪捜査局(クリポス)の捜査官スティレルが3方から容疑者を追うだけの話なのだが、静かな緊張感がすばらしい。

メソッド

パン・ウンジン監督、パク・ソンウン、オ・スンフン、ユン・スンア。ところどころ美しい場面はあるけれど、最後の舞台とか、せっかく役者は熱演しているのだから、もう少し予算をかけて広いところでやればなあと思う。

ロケットマン

デクスター・フレッチャー監督、タロン・エジャートン。受ける印象が『ボヘミアン・ラプソディ』とどうしてこうもちがうのだろうと思う。曲をあまり知らないから? 主人公が死なないから? エジャートンがたくましすぎるから? 私の嫌いなクスリをやっている…

ストーンサークルの殺人

M・W・クレイヴン、早川書房。ストーンサークルで焼き殺すという残忍な犯行の動機は昔ながらのあれだが、話の展開はうまいし、ラストのまとめ方も秀逸。シリーズ次作が出たら読もうかなと思います。

ディケンジアン

トニー・ジョーダン脚本・制作総指揮、ハリー・ブラッドピア等監督、スティーヴン・レイ、タペンス・ミドルトン、他。マーレイ殺害事件をバケット警部が捜査するプロットを軸に、ミス・ハヴィシャムとデッドロック夫人の恋愛模様をからめて、脇も数々の登場…

死んだレモン

フィン・ベル、創元推理文庫。デビュー作としてはまずまずなのかもしれない。が、少々気になる点も。そもそも最初の絶体絶命は必要なのか。これを置くなら、続く部分では現在形を控え、過去の回想らしく訳すべきではないか。主人公のキャラクターから考える…

セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、岩波書店。つまみ食いのような読み方になってしまった。つらい内容もさることながら、時代背景や地理的なことがわかっていないと、誰がどういうことを話しているのかつかめないことが多い。自分の勉強不足ですが。 スタ…

パラサイト 半地下の家族

ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク。非常によくできている。随所に笑いが仕込まれているのもいい。元お手伝いが戻ってきてからの意外性や、ラストのひねりにも好感。まあ、こんな破壊的な展開にする必要があっ…

天気の子

新海誠監督。メインのテーマは『君の名は。』と同様、純愛だと思う。ただ、ストーリーはこちらのほうがシンプルで、それをどう見るかで評価が分かれそう。映像はたしかに美しいが、背景が実写かと思うほど細かいのに対し、人間の表情などがアニメ的すぎない…

わたしは、ダニエル・ブレイク

ケン・ローチ監督、デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ。シンプルな話だが、最後まで飽きずに見せられるのが監督の手腕か。