ホテル・ネヴァーシンク

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アダム・オファロン・プライス、早川書房。これはすばらしい。裏表紙には「ゴシック・ミステリ」とあるが、ちょっとちがうと思う。キャッツキル山地に立つ豪華ホテルにかかわった一族をめぐる短篇小説集といった味わいか。とくに、オーナーのレンの妻で、父親の蔵書のスマイリー・シリーズやカラマーゾフを読み、ニューヨークのバーで出会った男をスパイさながら尾行するレイチェルの章がすぐれもの。