アリス連続殺人

ギジェルモ・マルティネス、扶桑社。おもしろいんです。とくに終盤の犯人捜しはなかなかですが、前半の蘊蓄はなんとかならないものかと。ルイス・キャロルは日本でも有名とはいえ、ダ・ヴィンチぐらい知名度がないと蘊蓄ものはしんどいかもしれない。あと、発見された紙片の内容も、過去のキャロル研究をひっくり返すほどのものでしょうか(それを言ったらおしまいだけど)。

地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録

エロール・モリス、デイヴィッド・コーンウェル。ル・カレが亡くなったのは2020年末。この映画ではずいぶん元気そうだが、いつ撮ったのだろう。回想録や伝記に書かれていなかった新たな事実はほとんどないが、画像的にも美しく、良質なドキュメンタリー。

京城クリーチャー

パク・ソジュン、ハン・ソヒ。モンスターが日本軍の人体実験から生まれたという設定は別にかまわないのですが、主人公が探せと脅された日本人女性と、韓国人父娘が探している母親が同じ病院に囚われていて、そこで人体実験がおこなわれ、モンスターがじつは母親で……つまり何もかもこのひとつの病院というのは無理があるのではなかろうか。

日本人役の人たちの日本語は非常にうまい。しかし、それぞれの単語の発音は正しくても、文全体のイントネーションがやはりちがう。むずかしいものですね。だがそのなかでも、加藤中佐役のチェ・ヨンジュンと前田夫人役のキム・スヒョン(京都弁!)はかなりうまいですね。

愛に奉仕せよ

チャン・チョルス監督。ヨン・ウジン、ジアン。チャタレー夫人+愛の子リーダ的な。しかし意外な結末でした。閻連科の小説『人民に奉仕する』が原作だそうで、舞台を中国から北朝鮮に移したわけですね。

トゥ・ザ・サミット 絶壁のレース

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スイスの登山家ウーリー・ステックとダニ・アーノルドの闘いを追ったドキュメンタリー。マッターホルン、アイガー、グランド・ジョラスの3大北壁をロープも使わず数時間で登る。PC画面で見ても身がすくむほどの壁。

パディントン発4時50分

書斎の死体も牧師館もそうだったが、このマープルは警察に煙たがられても平気そうだったり、あいかわらず気丈。犯人捜しは、家族の遺産争いと見せかけて……というのが定番の裏をかいたかたちでしょうか。