アーサーとジョージ

ジュリアン・バーンズ中央公論社アーサー・コナン・ドイルジョージ・エイダルジという実在の人物と実在の事件をもとにした小説。全篇に落ち着いた雰囲気が流れ、とくにドイル死後の最終章が印象深い。ジョージが昔の冤罪事件を振り返って、サー・アーサーに心から感謝しつつ、その行動に疑問を抱くところなど、いかにもありそう。『終わりの感覚』でジュリアン・バーンズとも相性が悪いかなと思いかけていたので、この本がしっくりきたのがうれしい。