冬の灯台が語るとき

ヨハン・テリオン、早川書房スウェーデンエーランド島に越してきた家族。灯台岬の歴史を綴った女性の手記。冬の別荘を狙って盗みを働く若者たち。新任の婦警。納屋にひそむ幽霊たち。ばらばらだった断片がやがてひとつにつながり、凶暴なブリザードとともにクライマックスを迎える。たいへんよくできた話で、語り口もよろしく、同じスウェーデンということでヴァランダーもの(=大好物)の雰囲気もある。