ジョヴァンニの部屋

ジェームズ・ボールドウィン、白水ブックス。アーヴィング『ひとりの体で』でも言及されるゲイ小説の古典。前半はどうかなと思ったけれど、主人公がジョヴァンニと別れるところからの書きっぷりは見事。1956年の作品ながら、今日でも充分通用する。ただいかんせん、会話が……とくにヘラ。別れ際のジョヴァンニの独白も、いまだったらと思わないでもない。