二流小説家

デイヴィッド・ゴードン、早川書房。こんなに大盤振舞で次作から大丈夫かと思うほどのサービス精神。すばらしいと思った個所を列挙すると、
・p. 33 別れたジェインとの思い出。「楓の押し葉が粉々に砕けた」。
・p. 65 法律事務所の助手がシビリンの吸血鬼もののファン。
・p. 196 究極の夢が、白人奴隷市場で売買されること。
・p. 258「恐怖心ほど、ぼくらを見事に生きかえらせてくれるものはないのだ」。
・p. 295 惑星ゾーグのこのオチは、星新一筒井康隆を思い出させる。
・p. 332 逃亡中の風景。「雪融けと、湿った葉と、ディーゼル燃料のにおいがした。朝陽に照り輝くアスファルトが目にまぶしかった」。
・p. 342 本格ものの「読者に挑戦」ふうの展開。