IQ

ジョー・イデ、ハヤカワ・ミステリ文庫。「サミッチどこだ、ビッチ」ラップが軽快。巨大な犬を使うアイデアも斬新。あえて難を言えば、ふたつの時間軸をV字型に収束させようとしたことで、アイザイアの探偵としての活躍ぶりが最後に集中してしまった。つまり、そもそも富豪ラッパーから調査を依頼されることになった理由であるアイザイアの実績が、最後までわからない。ふつうはY字型にするのではないか。でも、そんなことはどうでもよくて、ハイアセンふうの語りにたいへん満足。