ダニエル・クレイグ007

ふと思い立って、ダニエル・クレイグになってからの007を見る。
カジノ・ロワイヤル』。たとえばル・カレ原作の映画と比べたら、プロットなどなきに等しく(最後になぜ主人公ふたりが敵から解放されたのかという謎解きはあったものの)、ほとんどクレイグを愛でるための映画という印象。
 
慰めの報酬』になると、さらに無内容。ちょっと困ってしまうレベル。
 
スカイフォール』は少し盛り返す。というのも、ボンドの「老い」やMI6そのものの凋落をひとつのテーマにしているから。しかし、悪の親玉のシルヴァが、いくら中国で見捨てられたからとはいえ、M個人になぜここまで執着するのかがわからない。Mなど放っておいて自分の悪事に精を出せばいいではないですか。私が何か読み取り損ねているのかもしれないけれども。あと、ロケ地が中国になったのは象徴的か。
 
そして『スペクター』。クレイグになってからのストーリーを強引にまとめた感じもある。スペクターとボンドの関係をああする必要もあったのかどうか。ただ、エンターテインメントとしての面白さは、前作同様、少し挽回しましたかね。