夕萩心中


連城三紀彦講談社。「花葬」連作の「花緋文字」「夕萩心中」「菊の塵」の3作と、「陽だまり課事件簿」の3篇、「白い密告」「四つ葉のクローバー」「鳥は足音もなく」。
「戻り川心中」に連なる3作はやはりレベルが高いが、書き進めるうちにミステリーと恋愛がどんどん分離していき、溝が埋められなくなったという作者のあとがきにも納得。残る2話は桜と梅になる予定だったという。「花緋文字」はクリスティー「終りなき夜に生れつく」とセレンディピティ
「陽だまり〜」もこの作家らしくしっかりトリックが考えられているけれども、ギャグ路線はいま読むと少々つらい。