終わりの感覚

ジュリアン・バーンズ、新潮社。落ち着いた筆致、文学的味わいもたっぷりで、謎解きまであり、いつもなら文句なしのはずなのだが、あまりぐっと来なかった。なぜかはわからない。そういう体調だったということか。それとも結局のところ、「二十年以上も前に離婚した元妻に罪悪感をもち、四十年間も会っていなかった元恋人に興奮している」物語だったからか。