ポゴレリチ@サントリーホール

ショパン: 夜想曲 ホ長調 op.62-2
ショパン: ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
リスト: メフィスト・ワルツ第1番
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ブラームス: 間奏曲 変ロ長調 op.118-2
シベリウス: 悲しきワルツ
ラヴェル: 夜のガスパール

異形のショパンだった。低音はあくまで重く強く、高音は羽のように軽やかに。何度も聴いているはずなのに聴いたことのないような和音。スクリャービンふう? メフィスト・ワルツも悲しきワルツももはや3拍子ではない。ブラームスもあくまで彼流。ガスパールのみはピアニストのこだわりと曲想がマッチしてすごい世界を作っていたと思う。それを言えば、全部「異世界」だけれど。それにしても、テクニックは神業。さっとなでるように手を動かすと、ピアニッシモで正確に弾いている。フレットのない弦楽器を聴いているような気がすることさえあった。